アダプトゲンハーブについて

アダプトゲンハーブ ①

アダプトゲンハーブって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いわゆる滋養・強壮のためのハーブですね。
トラウマ、不安、肉体的疲労などの心身のストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然のハーブです。

定義としては
 1 服用者に無害であること
 2 非特異的な反応を示すこと-つまり、物理的、化学的、生物学的な様々なストレス因子に対して抵抗力を高めること
 3 生理機能を正常化すること;標準値からどの方向にずれても正常値に戻すこと

とされています。

 

無害というのが何よりもお勧めできる点ですね。でもとり過ぎには注意です。
それからストレスも選ばないということですので、ココロとカラダの両面に働くということです。
また生理機能を正常値に戻すという点でも、高くても低くても標準値に近づけるわけですので使う方を選ばないともいえます。

ただしアダプトゲンハーブはもともと漢方薬やアーユルベーダなどで用いられていたものが主になります。
アダプトゲンという考え方が近年できたものですから仕方ないのですが、西洋にはそういった捉え方があまりなかったともいえますね。東洋では昔から不老長寿の薬を求めたからでしょうかね。

ちなみにハーブでは免疫力を高める為にエキナセアをよく用いますが、アダプトゲンハーブには含まれてはいないものですね。

 

アダプトゲンハーブ ②

西洋のハーブとしてもアダプトゲンハーブとしてポピュラーなものの1つは、リコリス(甘草;カンゾウ)ですね。

近年では副腎疲労に用いられることでも知られていますが、抗アレルギー作用や抗炎症作用もありますので注意は必要ですが、とても使える?ハーブのひとつです。

 

リコリスは砂糖の50倍ほどの甘さがあるといわれ、ハーブティーでもブレンドによく使われますね。でも実は生薬として第2類医薬品になっていますし、日本の漢方処方薬の約7割にも含まれているものなのです。

 

 ちなみに漢方では珍しいといわれる単味(一種類での処方)でも甘草湯(かんぞうとう)という名前であるのですよ。これはリコリス・ティーそのものですよね?ハーブティー用として流通しているのか、医薬品として流通しているのかの違いだけになります。ただし品質の面では医薬品のほうが良いのではないでしょうか、やはり規格もありますから。

 

 でもリコリスについては、それ以上に気をつけなくてはいけないことがありますそれは・・・ (続く) 

アダプトゲンハーブ ③

 (前回からの続き)リコリスの注意点は甘味成分でもあるグリチルリチン(グリチルリチン酸)の摂取量です。過剰摂取による副作用が示唆されており高血圧やむくみという症状などをもたらします。そのため日本ではグリチルリチン(グリチルリチン酸)として1日200ミリグラムまで、甘草として5グラムまでとされています。

 

 ですので中長期にわたるような摂取では連用を避けるだけでなく、1日の摂取量にも十分注意したいですね。特にアダプトゲンハーブとして副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)に利用する場合には、短期間の摂取ではないケースが多くなりますので要注意です。4週摂ったら2週間休むというようにしながら、1日の摂取量にも気をつけることが必要です。

 

 そんな方の選択肢としてハーブティーではなくなりますが、サプリメントもあります。それはDGL(ジグリチルリチンリコリス)と呼ばれるものです。副作用を起こすグリチルリチンをほとんど取り除いたもので、高血圧の方も安心して使え胃粘膜萎縮や胃潰瘍にはとてもよいそうです。ただしDGLは副腎に働きかける成分は少ないということになってしまうのですが・・・

アダプトゲンハーブ ④

 今回はアシュワガンダについてです。これはアーユルヴェーダでよく利用されるもので「若返りの妙薬」「不老長寿の薬」ともいわれ、別名インド人参と呼ばれているそうです。抗ガン作用、抗ストレス作用、滋養強壮、精力増強など様々な効果効能があるといわれていますね。

  でも残念ながら2013年に医薬品成分として扱われるようになり、一般医薬品ではなく医師の処方が必要な医薬品になりましたので一般的には入手困難となりました。ただ個人輸入としてサプリメントやハーブとして入手は可能ですし、あくまでもクラフト用としてですがハーブの専門店で購入できる場合もあります。ですがいずれにしても自己責任となりますので十分ご注意ください。

 私もハーブティーとして飲んだことがありますが、効果効能を感じるよりも胃腸への負担が大きかった記憶があります・・・単に用量が多かったのでしょうね。ですので皆さんも初めて飲むハーブはまずは薄めに淹れてください。「これじゃ薄すぎるかな?」と思うぐらいでまずはお試しください、それで体調をみてください。副作用的な面が感じられなければ、もう少し増やしてみるというように慎重にすすめてくださいね。特にシングルハーブの場合はそのハーブの特徴だけが強くでますから、ブレンドハーブよりもより慎重さが必要です。つい美味しくて飲みすぎてしまうこともありますが、ハーブは薬草ですから薬理作用があることを心の片隅に留めておくことも必要です。

アダプトゲンハーブ ⑤

 今回はホーリーバジルとシャタバリです。どちらもアーユルヴェーダで用いられていますが、ホーリーバジルはカミメボウキ、トゥルシー(サンスクリット語で比類なきもの)とも呼ばれており不老不死の薬として用いられてきたそうです。抗酸化作用、新陳代謝の向上、ストレスの緩和、免疫機能の向上などが期待できるそうですよ。(よくイタリアンで使われるスイートバジルと似ていますが別のものです)

 シャタバリは「100人の夫を持つ力を与える」といわれ女性が元気になるハーブといわれています。こちらもアーユルヴェーダでよく用いられるものですが女性向けで、男性にはアシュワガンダのほうが良いそうです。シャタバリは女性の性ホルモンに対する強壮作用と若返り効果があり、更年期にもおすすめ。ただし日本ではハーブとしての入手は難しいようで、海外産のサプリメントタイプか粉末になってしまいそうです。

 一方、ホーリーバジルは国内産のハーブが入手可能ですので、こちらは安心して使えそうですね。

アダプトゲンハーブ ⑥

 今回は生薬でおなじみの高麗人参(朝鮮人参、オタネニンジン)とシベリア人参(エゾウコギ、シベリアンジンセン)です。どちらも人参と名がついておりウコギ科ですが別の植物で有効成分もちょっと違うそうです。

 このウコギ科の植物で〇〇人参と名がつくものはいくつかあります アメリカニンジン、トチバニンジン、サンシチニンジンなどですが、インドニンジンの別名をもつアシュワガンダはウコギ科ではなくナス科になります。

 オタネニンジンは古来から滋養強壮薬として珍重され有名ですよね、江戸時代には国内での栽培が始まったそうですがやはり韓国産や中国の雲南省でとれる田七人参のほうが知られていますかね。一方、シベリアニンジンは同じウコギ科の植物ということで旧ソ連で強壮剤として研究されオリンピック選手にも使用され話題になったそうです。

 シベリアンジンセンは入手しやすいアダプトゲンハーブの1つで、ハーブの専門店で入手できます。一方、高麗人参のほうはやはり生薬になってしまいますかね、それにちょっと高価ですね。

アダプトゲンハーブ ⑦

 今回は冬虫夏草、霊芝です。どちらもキノコの一種ですね。冬虫夏草は蛾の仲間の幼虫に寄生し成長するそうで天然ものはチベット高原などで採取されるとても貴重なものです。中国の歴代王朝でも強壮や不老長寿の薬として珍重されたそうですよ。(冬虫夏草といえばかなり古いですが、馬軍団で話題となったことがありましたね)驚くことに現在では日本国内でも人工栽培され商品化もされているそうなんですよ。

 一方、霊芝は別名マンネンタケといい民間薬として有名ですが、意外なことに伝統的な漢方には霊芝を含む処方はないそうです。なんと日本では食品扱いなんですね。抗ガン作用、免疫賦活作用、血圧の改善などがうたわれ、日本や中国では古来より幅広い薬効があると様々な目的に利用されてきた歴史があるのですが不思議ですね。(「霊妙不可思議なキノコ」が名前の由来だそうですが、その名のとおりですね)

 この霊芝ですがいわゆるサルノコシカケとは違うそうです。以前は同じ科に属していたそうですが、霊芝だけにインフルエンザにも効果があるトリテルぺノイドという成分が含まれており有効成分の面でも異なるようですよ。

 入手については冬虫夏草はハーブとしては難しいようですが、霊芝は健康茶として取り扱っている処もありますし一部のハーブショップでも購入できるようです。

アダプトゲンハーブ ⑧

五味子酒
五味子酒

今回は枸杞(クコ)と五味子です。クコはゴジベリーとも言いますが、杏仁豆腐の上にのってくる赤いドライフルーツですね。伝統的に肝や腎の滋養を与えるとして利用されてきたそうです。

  一方、五味子ですがその名の通り酸、苦、甘、辛、鹹(塩味)の五つの味を持っているそうで体調により感じる味が違うと言われているそうですよ。ぜひ試して みてください。赤い果実(黒もあるそうです)で日本でもとれるそうですが中国産や韓国産が多く、韓国語ではオミジャといい五味子茶として昔から飲まれてき たそうです。ビタミンCやリンゴ酸も豊富で美肌や疲労回復にもいいそうですよ。

 これら2つは果実ですので、薬用酒としても飲みやすいと思います。クコは乾燥したものが比較的簡単に手に入りますのでおすすめです。一方、五味子は五味子茶として販売しているものがありますがハーブとしては入手は難しいかもしれませんね・・・韓国食材屋さんでしたら今でもあるかもしれませんが。ですので生薬として購入するのがおすすめではあります。わが家にも自家製五味子酒がありますが、まだ熟成中です。

アダプトゲンハーブ ⑨

今回はアマチャズルとロディオラそしてマカです。

 アマチャズルは健康茶やハーブとして販売されていますが、その昔ちょっとブームになったそうです。(たしかにその頃に飲んだ記憶がありますが…) アマチャズルには高麗人参にも含まれるサポニンが70種類以上含まれているそうで、高価な高麗人参に比べ手ごろな価格で手に入りますからおおすすめです。

 ロディオラは別名イワベンケイといいますが、ハーブとして手に入れるのは難しそうでサプリメントでならば可能です。また紅景天、チベット人参として健康茶や粉末としての販売もありますのでそのような形での利用も可能です。ロディオラは肉体的、精神的パフォーマンスを向上させ、疲労を減らし、高山病を改善するといわれているそうで、やはり人参の別名があるようにいろいろと効能はありますね。

 次いでマカですが、こちらは有名ですね。南米産でアンデス高地で栽培されインカ帝国時代には珍重されていたそうで、アンデスの人参とも呼ばれていたそうです。粉末やサプリメントでは入手できますが、ハーブそのものとしては入手できないようですね。男性向けかと思われるかもしれませんが、女性のホルモンバランスの改善にもよいそうで更年期障害や生理痛などにもよいそうです。

アダプトゲンハーブ  ⑩

 今回は何首烏(カシュウ)と黄耆(オウギ:アストラガルス)です。どちらも生薬で知られていますが、アストラガルスはハーブとして取り扱っているところもあります。カシュウはなかなか無いようですが、健康茶として扱っているところもあるようです。

 カシュウはツルドクダミの根ですが、白髪をカラス(烏)のような黒い髪にしてくれるそうです。これは肝腎の精を補充し血を滋養する効果があるからとされており、古来より不老長寿の薬として用いられてきたそうです。

 一方黄耆は韓国ではファンギといい、高麗人参と並ぶ漢方薬のひとつだそうです。強壮、止汗、利尿などに効果があり薬膳料理にもよく使われるとか。また近年では免疫に関わるT細胞やナチュラルキラー細胞の産生を活性化し、がん細胞や感染症におかされた細胞をやっつけてくれるそうで欧米での研究がすすめられているそうです。

 まとめです。アダプトゲンハーブについてメジャーなものを紹介してきましたが、まだその他にもありますので気になる方は調べてみてくださいね。アダプトゲンハーブには別名〇〇人参というものが多いですが、古くから人参が滋養強壮に利用されてきた背景があるからでしょうね

 入手に関してはハーブとして販売されているものもありますが、生薬まで選択肢を広げるとほとんどのものが利用できそうですよね。これはアダプトゲンハーブに限らず全てのハーブに言えることなのですが、ハーブで検索して見つからなくても和名や別名で試してみると意外に見つかることがあります。それからハーブとしては見つからなくても生薬として手軽に入手できるものもありますし、近縁種としてならば入手できるものもあったりします。ハーブは西洋の植物が主ですが、同じ科・同じ属でも種が異なるものが生薬として利用されていたりということがありますので。 例えばリコリス(甘草)はマメ科の多年草ですが、世界中に広く自生しており18種くらいあるそうです。その中で生薬の甘草に利用されるのは現在は2種類なのだそうです。

 ところでハーブではなく ”生薬” となると医薬品になってしまいますので、少し抵抗感がある方もいらっしゃるのではないかと思います。ただ見方を変えると日本で古来から利用されてきた薬用植物 (ハーブ)が生薬となり漢方薬になった訳ですから幅広い視点で捉えてみてはいかがでしょうか?漢方薬は海外ではチャイニーズ・ハーブと呼ばれていますからね。また日本でとれるいわゆる ” 和 ”ハーブ も注目されてきていますが、これらも古来から生薬や健康茶として利用されてきたものが多いのですから広ーい視点で捉えるとハーブの世界はとても大きく広がっていくのではないか思います。

 最後にアダプトゲンハーブは滋養強壮だけでなく生体のホメオスタシス(内部環境を一定に保つ機能)の維持に役立ちますが、1つのハーブを長期間にわたるような連続使用はおすすめできません。(短期間では効果のでないケースもあるのですが) これも全てのハーブに対して言えることですが症状の改善を目的にハーブを摂る場合は、3週間摂ったら1週間は摂らずに休むというように必ず休む期間をとるようにしてください。ハーブによっては副作用の面に注意を要すものもありますので。また効果の面でも同じものを休みなく使い続けるのは慣れが生じるというのでしょうか、同じ分量でも効き目が落ちてくるといわれていますから。

 ですので理想としては、数種のハーブを切り替えながら用いるのがベターです。同じような効果効能があるハーブの中から、自分に合うものを複数見つけておくことをおすすめします。