アダプトゲン・強壮系ハーブ

 アダプトゲン・強壮系のハーブはとても利用価値の高いものです。その使用方法が適切であれば、免疫力の向上を始め、様々な面で身体機能を高めてくれます。

 東洋医学では一生のライフサイクルが女性は7の倍数、男性は8の倍数で節目の変化を迎えるとしています。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?その中で、最も体が充実するのは女性は28才・男性は32才としています。そして衰えが見え始めるのは女性35才・男性40才、白髪が目立ち始めるのは女性42才・男性48才、生殖能力の衰えは女性は49才・男性はちょっと先で56才といわれていいます。そして、徐々に五臓(肝・心・脾・肺・腎)が衰えていくのです。これは現代においても個人差はあれど概ね、うなずけることですね。

 このライフサイクルの変化を穏やかに乗り切るためにもおすすめしたいものなのです。

 

 ここで紹介しているハーブは基本的には国内で入手可能なものです。ハーブ(食品扱い)として販売されているものと、2類・3類の一般医薬品となっている生薬も含まれています。生薬は医薬品ですが、もともとは民間薬や健康茶として利用されてきた伝統的な薬草(ハーブ)です。同じ植物や近縁種が西洋ではハーブとして用いられ、東洋では生薬や民間薬に使われたりと洋の東西を問わずその薬効が知られ利用されてきたのですね。ですので、ちょっと広い視点でハーブを捉えてご紹介しています。

※ハーブの使用にあたっては、十分注意を払ってご利用ください。ハーブ類には薬理作用がありますのでお薬に近い感覚で利用しなければいけない面もあります。 また次のような方は、基本的には利用をさけるのが賢明です。1 妊娠中または授乳中の方  2 お子さま 3 病中、病後など著しく体力を消耗している場合 4 花粉症など特定の植物にアレルギーのある方 5  一般医薬品を含め服薬中の方 その他にも健康食品・サプリメント類などを利用している場合なども気をつけてください。


ハーブ ① (ホーリーバジル)

 今回から『すこらぼ』で扱っているハーブを紹介していきますね。

扱っているとはいえ販売はしておりません、サンプルとしてプレゼントまたは試飲の為のものです。ですので、ご購入は専門店でお願いいたします。

 

 では第1回目は、アダプトゲンハーブとしても紹介したホーリーバジル(トゥルシー)です。 

 写真は3カットありますが、真ん中はポットの中で5分程抽出している時のものです。しっかりとリーフが開いてますねー、葉や花は3分ぐらいでOKというのですが個人的には長めに抽出するのが好きなのです。そして、2煎目はごく少量のお湯で淹れて残りの成分もいただくというスタイルです。

 

こんな感じですと、一人で飲む場合も飲み過ぎ防止にもなります。ハーブティーは1煎目で成分の80%が出るといわれていますので2煎目も摂りたいのですが、普通の量で淹れると飲みすぎたかなということがあるのですね。ですのでハーブとお湯の量、そして時間を調整して2煎目の成分もしっかり摂れるぐらいの匙加減で淹れることをおすすめします。

 

 さてホーリーバジル(トゥルシー)ですが、これはシソ科で和名はカミメボウキといいます。国内栽培品もありますので、アダプトゲンハーブの中では特におすすめです。血糖値やコレステロール値も下げると言われていますしアレルギーにもよいとか。

 

 飲みやすさは★★★です。シソ科でクセはありません、バジルの名のとおり爽やかな風味が口の中に広がります。ただしタイムやセージ、ミント系が苦手な方は、ブレンドにしたほうが良いかも…

 


ハーブ ② (シベリアンジンセン)

 今回は、シベリア人参ことシベリアンジンセンです。アダプトゲンハーブとしてこちらも個人的にはおすすめです。ハーブとしても入手しやすいですし、味のほうもルート(根)ですが土臭いようなクセもあまりありませんので。

 

 ハーブ全般に言えることですが、そのままですとルート(根)は成分が抽出しにくいので少し手間ですが前処理をおすすめします。写真のものはカットが小ぶりですが、それでもひと手間加えた方がいいかと思います。ハーブというと乳鉢で潰すというイメージもありますが、堅い根になるとちょっと無理があります。

ですので、布などに包んで小さな金づちでたたくのがいいのですが…一人分でそこまではという場合、ペンチのようなものでガシガシ挟んで潰す感じにするのもいいですよ。もちろん工具はハーブ専用にして下さい。

 

 さて抽出時間は根や実などは5分位が目安ですが、できればもう少し長めに8分以上がおすすめです。長いと雑味がでるかもしれませんが、やはり有効成分をできるだけとりたいですからね。生薬や漢方薬は長い時間煎じて成分を抽出しますが、ハーブティーとして手軽に摂るには前処理と抽出時間を長めにしてカバーしましょう。

 

 和名はエゾウコギ、ウコギ科の植物です。生薬として五加皮(ゴカヒ)刺五加(シゴカ)とも呼ばれています、主に根を用います。飲みやすさは★★★です。味にも香りにもそれほどのクセはなく、シングルでものみ続けやすいハーブですね。

 

 


ハーブ ③ (リコリス)

 今回はリコリス(甘草)です。ブレンドハーブティーを作る際に甘味をつけるのにステビアと共によく利用されます。また漢方処方の約70%にはこの甘草が含まれていますので、よく使われる薬草(生薬)といえますね。

 

 1日の最大許容量は『甘草として5g 』・『グリチルリチンとして200mg』が目安とされていますので、副腎疲労対策で用いる場合などには注意が必要です。特に高血圧や心臓・腎臓にトラブルを抱えている方、むくみやすい方などは気をつけてください。

 

 写真の量で約1グラムです。このぐらいでも一人で飲むには十分な甘さがありますので、少ない量で充分ですよ。甘草1gにグリチルリチン約40mgが含まれおり、グリチルリチンは1日300mg(甘草7.5g)になると副作用の発現が上昇するといわれているそうです。ですので甘草も含んだ漢方薬を服薬していなければ、このぐらいの量で1日2回飲んでも数字的には大丈夫ですね。ただし個人差がありますので十分ご注意ください。

 

   リコリスはマメ科の多年草で、抗炎症作用や抗ウィルス作用、抗アレルギー作用の他に粘膜保護作用もあるので喉の痛みや胃粘膜にも優しいハーブです。飲みやすさは★★★です。甘さ以外の風味にクセはなくシングルでも薄めに淹れれば、美味しくいただけます。※ただし、適量の場合です。使用量が多くなると独特の甘さですので飲みにくくなります、ご注意ください。

 


ハーブ ④ (パウダルコ)

 今回はパウダルコ(別名 紫イぺ、タヒボ)です。南米に自生する高木でインカ帝国の時代から利用されていたそうです。

原木の外皮と木質部にはさまれた僅か7mm程の内部樹皮だけを使い、様々効果が期待できるといわれています。

 

抗ガン、抗腫瘍作用があるともいわれているそうですが、否定的な意見もありますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

 ノウゼンカズラ科の高木で20mに達する事もあるとか、そしてブラジルの国花になっているそうですよ。南米ではパウダルコを強壮、抗炎症、抗細菌、抗真菌、アレルギーなどに効果があるといわれているとか。

 

  さて風味の方ですが、味も香りもクセがなく後味も悪くないですね。香りはうっすらと香木のような感じもするような…  ということで飲みやすさは★★★です。 


ハーブ ⑤ (ボリジ)

 今回はボリジです。和名はルリヂサ、ルリヂシャともいいます。チサはレタスの意味だそうですね。その名の通り瑠璃色の星形の花を咲かすそうで別名スターフラワーと呼ばれ、染料に使われるマドンナブルーの原料として使われたりスープやサラダなど料理の付け合わせにも使われるとか。

 

 人を奮励させる強壮効果があり、ワインと一緒に飲むと気力が沸いてくると言われたり、中世の騎士は志気を高めるのに煎じてハーブティーとして飲んだとも。副腎を刺激してくれるので副腎疲労にも良さそうですね、ムラサキ科の一年草で使用部位は葉っぱです。

 

  飲みやすさは★★★です。味も香りもクセがなく飲みやすいですね。ただし肝毒性のあるピロリジジンアルカロイドが含まれているため、摂り過ぎや長期使用は避けたほうがよいのでご注意を。妊婦さん、授乳中のかたも避けてください。

 

 一般的にですが、妊娠中の場合には飲めるハーブは限られてしまいます。ノンカフェインで一見よさそうですが、子宮収縮作用があったりと刺激になるものも有りますので気をつけてください。

 

 


ハーブ ⑥ (五味子)

 今回は五味子、別名シサンドラです。韓国では健康茶としてよく飲まれてきたそうですが、半日ぐらい抽出して飲むそうです。そうすると赤い色がでるそうですが、ハーブティーのように短時間ですと色はあまり出ませんねー。写真のようにうっすらとした感じにしかなりません。

 

 マツブサ科の落葉性つる植物で、使用部位は乾燥した果実です。ですのでそのままですと成分が抽出されにくいですから、ちょっと手間ですがしっかりと前処理をしてください。

 

 体調により感じる味が違うといわれていますが、その味の方は…私には酸味とわずかに渋みのようなものを感じました。この酸味を感じる人はストレスがたまっているのだとか…ちょっと面白いですねー、また体調が違う時にも試してみたくなりますね。

 

 さて飲みやすさですが★☆☆です。酸味が苦手でなければ★★ですね。香りもちょっと酸味を感じますがそれほど個性的な風味ではないですから、試してみてください。生薬としても一般的ですが、中華・韓国食材店にもありましたのでお近くで探してみてください。

 

 


ハーブ ⑦ (アシュワガンダ)

 こちらがアシュワガンダで、別名インド人参です。医薬品に指定されていますので普通にはハーブとしては販売されていませんが、個人輸入であったりすれば購入できないことはないです。でもあくまでも自己責任でご利用ください。

 

 国内では苗や種の販売もありますので、栽培することもできるようです。ナス科の植物ですので普通のナスと同じように育てれば、有機無農薬で安心のハーブが手に入りますのでチャレンジしてみるのも面白いですね。

 

 使用部位は根・葉です。今回利用したものは、根(ルート)です。 

さて味の方ですが、味はあまりなくあっさりしていますが僅かに苦味があるような感も。また後味がすこし口に残る感じです。香りはうっすらと木質系ですかね。飲みやすさは★★☆です。手軽に入手できないのが残念ではあります。

 


ハーブ ⑧ (黄耆 : オウギ)

 前回までアダプトゲンハーブやそれに類する強壮作用のあるものを紹介してきましたが、引き続きアダプトゲン類でも現状ではハーブとして探すよりも生薬を利用した方が手間がかかりませんよというものになります。

 

 では早速、これは黄耆(おうぎ:アストラガルス)です。マメ科の多年草で、使用部位は根(ルート)です。免疫力を高めたり、強壮などに古くから用いられてきたとか。韓国では、高麗人参と並ぶほど重宝されサムゲタンなどの薬膳料理に利用されていますね。ただ硬いので食べることは出来ず、エキス分だけをとるものです。

 

 さて風味の方ですが、根(ルート)ですが強いクセはなく何となく穀物系に近い感じです。後味も悪くないのですが、ごく僅かにスパイシーな感じのようなものが残るような…  飲みやすさは★★☆でしょうか。

 

 ※ 生薬は2類または3類の一般医薬品になります。ハーブのように試供・試飲をしていただくことはできませんので、ご了承ください。

  


ハーブ ⑨ (何首烏 : カシュウ)

 こちらがフリースフラワー、生薬名:カシュウ、タデ科のつる性多年草木でツルドクダミといわれるものです。ドクダミと名がついていますが、葉が似ているだけで科も異なる別種の植物です。

 

 烏のように髪を黒くする作用があることから「烏」の文字がつけられているそうですが、髪は東洋医学では「腎」に関係しています。

ですので白髪なども「腎」の弱りとみるのですが、カシュウの効果効能もやはり腎・肝を元気にしてくれるそうで納得できますね。

 

抜け毛や若白髪に効くとのことで育毛剤にも利用されているそうですよ。効果効能には滋養強壮の他に緩下作用などもありますので注意も必要です。

 

 さて風味の方ですが、飲みにくさはそれほどないのですが僅かに薬のような香りもあるような…そして苦味もごくうっすらと感じる気がします。飲みやすさは★★☆でしょうか。


ハーブ ⑩ (当帰 : トウキ)

 こちらは生薬名:当帰(トウキ)、唐当帰(カラトウキ)。チャイニーズアンジェリカです。中国ではドンクアイ(Dong Quai)といいセリ科シシウド属の多年草です。根を用います。

 

 古くから女性のためのハーブとして利用されてきましたが、免疫力も高めたり血行も良くしてくれるので男性にもおすすめです。

 

 アンジェリカというとヨーロッパトウキのほうがハーブでは一般的でしょうか。こちらも女性のハーブでもありますが、消化不良などにも用いられチャイニーズアンジェリカとはちょっと使われ方が違う面もありますね。

 

 風味はといいますと、香りにクセはそれほどありませんが、わずかに土くさいような感じと甘いような感じが。味はまろやかな口当たりで後味も悪くありませんね。飲みやすさは★★☆でしょうか。


ハーブ ⑪ (天門冬 : テンモンドウ)

 これは、ユリ科のクサスギカズラの根を湯通してから乾燥させたもので生薬名は天門冬です。見た目がちょっと変わっていて遠目にはザラメのようでもありますね、そのまま乾燥させるドライハーブにはない質感です。

 

 クサスギカズラ…馴染みはありませんが、食用のアスパラガスの親戚です。日本全土に自生(じせい)する半つる性の多年草で、アーユルヴェーダでよく用いられているシャタバリの近縁種になります。

 

シャタバリならご存知の方も多いのではないでしょうか?ハーブとしてはなかなか手に入りにくいと思いますので、こちらを利用するのも良いのではないでしょうか。

 

 シャタバリは女性の為のハーブとしてよく利用されていますが、生薬(天門冬)のほうでも滋養強壮などで用いられてきたものです。

 

 さて風味の方ですが、香りは僅かに草木系でしょうか。クセのある味ではありませんが、何となく苦みというか渋みのようなものを感じますね…後味もやや残る気もしますが、それほど個性的ではないかと。飲みやすさは★★☆でしょうか。


ハーブ ⑫ (紅景天 : コウケイテン)

 今回のものは生薬名、紅景天です。別名チベット人参とも呼ばれる、ベンケイソウ科の多年生植物です。海抜4,000メートル以上のヒマラヤ高地で岩肌に這うように自生するとか。これを「チベット人参」と呼ぶそうで、使用部位は根および根茎です。

 

 ハーブのロディオラ・ロゼアの近縁種です。ハーブも販売している時があるようですので運がいいと入手できますが、生薬としてならば普通に購入できるものです。

 

 アダプトゲンハーブとしてだけでなく、気分を向上させたり鬱の軽減・記憶力や集中力を高めたりする効果もあるといわれているそうです。

 

 さて風味の方は、香りは木質系で僅かに酸味のあるような香りでしょうか… 味はクセがなくごく僅かに苦味のような後味が残るような気がします。飲みやすさは★★☆です。


ハーブ ⑬ (枸杞 : クコ)

 これはクコです。別名ゴジベリー、ウルフベリーともいわれるナス科の落葉低木の果実です。果実酒や食用としても用いられていますね。

 

枸杞子として生薬にもなっていますが、ドライフルーツとしても一般的に販売しています。ドライフルーツですと、食用油が使われていたりするものもありますが、クコはそのままで使いやすいですね。

 

 今回はハーブティーとしてローズヒップのように淹れてみましたが、おすすめはそのまま食べるか果実酒ですね。やはり有効成分を余すところなく摂るという意味ではまるごと食べるのが一番でしょうか。ただし、妊娠中、授乳中のかたは避けましょう。

 

 血圧や血糖の低下作用、抗脂肪肝作用などのほか、萎えている精神を強壮にする作用もあるとされているそうです。

 

 さて風味のほうですが、ほんのりと果実系のような香りです。味はほとんどないですが、ごく僅かに甘味を感じます。飲みやすさは★★★でしょうか。


 アダプトゲン・強壮系のハーブを紹介してきましたが、今回が最後になります。次からは別の系統になりますよ。

 

 この系統は生薬として用いられてきたものが多かったですね。生薬と聞くとハーブよりもハードルが上がるように感じるかもしれませんが、ティーとして用いる分にはそれほど変わらないと思います。ハーブとしても生薬としても利用されているものがありますから。

 

 ただし、いわゆるメディカル・ハーブ(薬理作用の高いハーブ)を扱うのと同様(もしくはそれ以上)の慎重さは必要です。

 用法・用量には十分に気をつけて、長期連用とならないよう休む期間を設けながらというのも大切です。そして何より自分の『内なる声』に耳を傾けて無理はしないように試してみてください。